イスラエル、ヒズボラ空爆強化=274人死亡、レバノンで避難勧告―戦闘拡大へ強硬姿勢 2024年09月23日 18時51分
【エルサレム時事】イスラエル軍は23日、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点約800カ所を空爆したと明らかにした。レバノン保健省によると、これまでに南部で274人が死亡、1000人以上が負傷し、死傷者には女性や子供、医療従事者も含まれる。イスラエルがレバノン全域で攻勢を一段と強めればヒズボラの反発は必至で、双方の全面衝突に至る懸念が強まっている。
ネタニヤフ首相は23日、ガラント国防相や軍高官らとの会合で「脅威を待たずに未然に防いでいる」とヒズボラへの空爆を正当化。「われわれは複雑な日々に直面している」と述べ、攻撃強化を明言した。軍によれば、レバノンからはロケット弾165発がイスラエル領内に飛来しており、ヒズボラも反撃を強化しているもようだ。
イスラエル軍報道官は23日、ヒズボラが建物内に巡航ミサイルを隠しているとする動画を公表。レバノンの南部や東部を対象に、ヒズボラが使う建物の近くにいる市民に避難を促した。AFP通信は昨年10月の交戦開始以降、イスラエルからレバノン住民向けに公式な避難勧告が出るのは初めてと伝えた。
ヒズボラは、イスラエルが関与したとされるレバノンでの通信機器の一斉爆発でメンバー多数が死傷したことなどへの報復の一環として、22日にイスラエル北部にミサイルなど約150発を撃ち込んだ。ヒズボラのナンバー2のカセム師は「制限のない新たな段階の戦闘」に入ったと主張し、徹底抗戦の構えを改めて示した。