情勢不透明でも支援継続を=ユニセフ・シリア事務所の根本副代表 2024年12月12日 05時40分

NGOが運営する授業を視察する国連児童基金(ユニセフ)シリア事務所の根本巳欧副代表(左から3人目)=1月、シリア北部アレッポ郊外(日本ユニセフ協会提供)
NGOが運営する授業を視察する国連児童基金(ユニセフ)シリア事務所の根本巳欧副代表(左から3人目)=1月、シリア北部アレッポ郊外(日本ユニセフ協会提供)

 国連児童基金(ユニセフ)シリア事務所の根本巳欧副代表は11日、ダマスカスからオンラインで時事通信の取材に応じ、シリアの政権移譲が円滑に進むか見通せない中でも「これまで実施してきた支援を継続できるようにすることが必要だ」と語った。
 アサド政権が崩壊した8日は未明の銃声で目覚め、終日激しい銃声や爆発音が響くのを聞いた。「シリア人の知り合いは皆、急な展開にショックを受けていた」という。8日以降はイスラエル軍の空爆が夜通し続く日もあった。安全確保のため、ダマスカス市内でユニセフは活動を停止している。
 10日から営業を再開する店が出始めたが、学校や医療機関は閉まったままで、「子供の教育や医療サービスをいかに再開させるかが課題だ」と懸念する。14年近くに及ぶ内戦の影響で通学できていない子供は約240万人に上るという。
 学校施設の復旧だけでなく「教員の給与があまりにも低く、人材を確保できない」点も大きな課題だと指摘。教員育成のプログラムと待遇改善の仕組み構築から着手する必要性を強調した。 

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