ロヒンギャ食料支援半減も=資金不足で、健康悪化危惧―国連 2025年03月09日 13時58分

【ニューデリー時事】国連世界食糧計画(WFP)は、バングラデシュに避難している100万人超のロヒンギャ難民向け食料支援額が4月から半減する可能性があると通知した。資金不足のためといい、避難民の健康悪化が危惧されている。
WFPは7日、追加の資金を得られなければ現行の1人当たり月12.5ドル(約1850円)から同6ドル(約890円)に減額せざるを得ないと発表した。ロイター通信によれば、トランプ米政権による対外援助凍結ではなく、寄付金の減少が資金不足の理由という。バングラデシュ事務所のスカルペリ代表は「(人道)危機がさらに悪化するのを防ぐため、緊急支援が必要だ」と訴えた。
南東部コックスバザールの難民キャンプで生活するロヒンギャの男性(45)は時事通信に「悲しい知らせだ。キャンプ生活がさらに不安定化するかもしれない」と話した。
イスラム教徒のロヒンギャは仏教徒が多数を占めるミャンマーで「不法移民」と見なされ、迫害を受けてきた。2017年に弾圧が激化し、多くがバングラデシュに脱出した。今月13~16日には、国連のグテレス事務総長が同教のラマダン(断食月)における連帯を示すため、コックスバザールを訪れる予定。