独立漸進派の野党勝利=連立交渉で対米姿勢焦点に―グリーンランド議会選 2025年03月12日 19時39分

11日、グリーンランドの中心都市ヌークの投票所に並ぶ有権者(EPA時事)
11日、グリーンランドの中心都市ヌークの投票所に並ぶ有権者(EPA時事)

 【ロンドン時事】デンマーク領グリーンランドで11日、議会(定数31)選挙が行われ、中道右派の野党デモクラティット党が第1党となった。同党はデンマークからの独立を長期的目標に掲げている。トランプ米大統領が島の領有に繰り返し意欲を示す中、選挙結果に注目が集まっていた。
 現地からの報道によると、デモクラティット党の得票率は29.9%で、前回から約3倍に増やした。早期独立を訴えたナレラック党が24.5%で第2党となった。エーエデ自治政府首相が率いるイヌイット・アタカチギット党と、連立を組むシウムート党はともに大きく得票を減らし、それぞれ第3、第4党に後退した。
 選挙では、独立を急がないという民意が示される一方で、米国との協力に最も前向きなナレラック党も躍進したことで、住民の意見が割れていることが明らかになった。今後の連立交渉では、米国にどのような姿勢で向き合うかも焦点となる。デモクラティット党のニールセン党首は「すべての党に協議の門戸を開いており、団結を模索している」と語った。 

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