中国製兵器が「実戦経験」=印パ衝突で使用―台湾侵攻に影響か 2025年05月18日 14時18分

パキスタン軍のJF17戦闘機=2月10日、パキスタン南部カラチ(EPA時事)
パキスタン軍のJF17戦闘機=2月10日、パキスタン南部カラチ(EPA時事)

 【北京時事】インドとパキスタンの武力衝突を通じて、中国軍は貴重な「実戦経験」を獲得したもようだ。パキスタン軍が使用した中国製兵器のデータは中国軍と共有されるとみられ、台湾侵攻を目指す中国軍の強化に影響する可能性がある。
 中国にとって、パキスタンは最大の武器輸出先。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、過去5年の輸出の約8割がパキスタン向けだった。
 パキスタンのダール副首相兼外相は、同国軍が配備する中国製戦闘機「殲10C(J10C)」が、インド軍のフランス製戦闘機「ラファール」を撃墜したと主張。攻撃には、中国製空対空ミサイル「PL15E」が使われたとされる。
 事実なら、レーダーなどを含めた中国製ミサイル誘導システムの有効性が示されたことになる。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は「台湾と中国の紛争がどのようなものになるか、厳粛な予想を提供した」という台湾の専門家の見方を伝えた。
 また、中国国営新華社通信によると、パキスタン軍は、中国と共同開発した戦闘機「JF17」から「精密に誘導されたミサイル」でインド軍のロシア製地対空ミサイル「S400」を破壊したという。パキスタン側のミサイルは中国製の「CM400AKG」で、初めて実戦で使用されたもようだ。インド側は被害を否定している。
 一方、中国製の防空兵器は弱点を露呈した可能性がある。インドメディアは、パキスタンが配備する中国製地対空ミサイル「紅旗9(HQ9)」をインド軍が「無力化した」と報じた。攻撃にはイスラエル製無人攻撃機が使われたという。中国軍は紅旗9の改造型を艦艇に搭載しており、無人機攻撃を防げなかったのであれば対応を迫られる。
 習近平政権は台湾統一が悲願で、武力行使も辞さない構えだ。米軍の干渉を排除するため軍備増強を続けており、今回得られた教訓を反映させることになりそうだ。 

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中国製地対空ミサイル「紅旗9(HQ9)」=2017年7月、北京(EPA時事)
中国製地対空ミサイル「紅旗9(HQ9)」=2017年7月、北京(EPA時事)

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