韓国大統領、早期訪日へ調整=シャトル外交継続―就任1カ月で記者会見 2025年07月03日 10時53分

【ソウル時事】韓国の李在明大統領は3日、就任から1カ月を迎えるのに合わせてソウルで記者会見を開いた。早期の日本訪問に向けて調整を進めていると明らかにし、日韓首脳が往来するシャトル外交の継続を意気込んだ。国交正常化から今年で60年となる中、1998年の日韓共同宣言のように「関係を明確にすることが必要だ」と指摘し、新たな宣言発表にも意欲を見せた。
6月4日に就任した李氏は、カナダで開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)に出席した際、石破茂首相と初めて会談した。シャトル外交継続は自ら提案したとして「行き来して対話をし、誤解を減らして協力できたらいい」と強調した。
李氏は「早く日本に行くつもりだったが、日本が(参議院)選挙のため忙しくなった」と説明し、参院選後の時期を探る方針を示した。3日付の有力紙・東亜日報は、李氏は今月下旬の訪日を検討していると報じた。
李氏は会見で、日韓は北朝鮮の核・ミサイルへの対応や安全保障、経済で「協力する分野が多い」と訴えた。北朝鮮による日本人拉致問題についても「拉致された方や家族の無念を晴らすべきであり、韓国政府ができることがあれば協力する」と語った。
トランプ米政権の高関税政策を巡っては「(交渉が)簡単でないのは明らかだ。互恵的な結果を導き出せるよう最善を尽くす」と述べるにとどめた。北朝鮮への対応については、米韓同盟や日米韓連携、強固な国防力で挑発に備えつつ「断絶した南北間の意思疎通を再開する」と述べ、緊張緩和に期待を示した。