シャチ、人間と仲良くなりたい?=世界各地で獲物共有―研究 2025年07月05日 14時45分

泳ぐ2匹のシャチ=2024年4月、米西部ワシントン州(米鯨類研究センター提供)(ロイター時事)
泳ぐ2匹のシャチ=2024年4月、米西部ワシントン州(米鯨類研究センター提供)(ロイター時事)

 【ワシントン時事】野生のシャチが近くにいる人間に獲物を分け与える事例が過去20年間に世界各地で確認され、国際的な研究チームはシャチが人間と関係を築こうとしている可能性があると米科学誌「比較心理学ジャーナル」で発表した。シャチは高い知能があることで知られる。
 論文の掲載は6月30日付。研究チームは米国やニュージーランド、ノルウェー、アルゼンチンなどの海域で2004~24年に起こった34件の事例を収集・分析した。
 34件のうち、人間が船上にいた事例が21件、水中が11件、岸辺が2件。提供された獲物はサメやエイ、鳥、海藻など多岐にわたった。ほぼ全てのケースで「シャチが獲物を人間の前に放った後、人間がそれをどうするかを観察しているように見えた」と報告した。
 研究チームは「獲物の提供を通じて、シャチは人間について学び、関係を築こうとしている可能性がある」と結論付けた。ペットの犬や猫が飼い主と食べ物などを共有しようとすることは知られているが、野生の動物による同様の行動の記録は珍しいという。 

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