米中、閣僚級貿易協議を開始=90日間停止延長か 2025年07月28日 17時42分
【ワシントン、北京時事】米国と中国は28日、スウェーデンのストックホルムで閣僚級の貿易協議を始めた。中国国営新華社通信が伝えた。一部関税の停止期限は8月12日で、90日間さらに延長する案が浮上。協議を通じ折り合えるかが焦点となる。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは関係筋の話として、米中両国が今回の協議で、期限をさらに90日間延長する見通しだと報じた。期間中は貿易摩擦を激化させる手段を講じないことを確認するという。
協議は2日間で、米政府は制裁対象としているロシア・イラン産の原油を中国が大規模に輸入していることをやり玉に挙げる。
一方、中国外務省の郭嘉昆副報道局長は28日の記者会見で、両国の経済関係強化は「互恵的だ」と改めて強調。「誤解を減らし、連携を深め、両国関係の健全な発展につなげたい」と語り、対米協議の進展に期待感を示した。中国政府は、合成麻薬「フェンタニル」の流入を理由とする20%関税を引き下げるよう求める方針だ。
米国は27日、欧州連合(EU)との貿易交渉で合意に至り、最大の懸案である中国との貿易交渉に腰を据えたい考えだ。ただ、今回の協議では大きな進展は見込まれていないという。
協議には米側からベセント財務長官、中国は何立峰副首相らが出席した。トランプ大統領と習近平中国国家主席が今秋にも中国で首脳会談を行う可能性が取り沙汰されており、水面下で調整を進めるとの見方もある。停止期間を設けて対立を避け、融和ムードを醸成することで会談実現に近づけたい思惑もあるとみられる。