「被爆者の記憶、変化の力に」=被団協の活動意義強調―ノーベル委員長 2025年07月28日 20時32分

日本外国特派員協会で記者会見するノルウェー・ノーベル賞委員会のフリードネス委員長=28日午後、東京都千代田区
日本外国特派員協会で記者会見するノルウェー・ノーベル賞委員会のフリードネス委員長=28日午後、東京都千代田区

 来日中のノルウェー・ノーベル賞委員会のフリードネス委員長は28日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見した。「被爆者の記憶継承は世界に変化をもたらす力になる」と述べ、ノーベル平和賞を昨年受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の活動の歴史的意義を強調した。
 フリードネス氏は被爆80年を前に、広島と長崎を訪れた。同委メンバーが受賞者の国を訪れるのは初めてといい、「人類の歴史を変えた場所を歩く、またとない機会だった」と語った。その上で、広島と長崎の悲劇を繰り返さないためには「『核兵器の使用を道徳的に容認できない』という国際規範が最も強力だ」と語り、「核のタブー」を維持する重要性を訴えた。
 また、日本被団協が核兵器廃絶に取り組む一方、日本が米国の「核の傘」に守られている現状については「(核兵器の)恐怖は問題解決につながらない。放射線を浴び、苦痛の生涯を送る被爆者の声に耳を傾けてほしい」と述べた。 

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