時価4兆ドル超え、AI時代象徴=米MS、クラウドで躍進 2025年08月01日 09時36分

米マイクロソフトの看板(EPA時事)
米マイクロソフトの看板(EPA時事)

 【シリコンバレー時事】米マイクロソフト(MS)の時価総額が31日の米株式市場で一時4兆ドル(約600兆円)を突破した。4兆ドル超えは7月上旬に達成した米半導体大手エヌビディアに続いて世界で2社目。人工知能(AI)に必要不可欠な基盤を提供する両社が相次いで大台に乗せたのは、AI分野が技術革新と市場のけん引役となった時代を象徴する動きと言えそうだ。
 MSの株価上昇のきっかけは、売上高と純利益が共に四半期として過去最高となった2025年4~6月期決算。中でも、AI基盤を提供するクラウドサービス「アジュール」などの売上高が前年同期比39%増と大きく躍進。エヌビディアが製造する高性能半導体とともにAI時代に欠かせない存在だ。
 MSは19年に、後にチャットGPTを開発する米オープンAIと提携。自社製品にAIを組み込んだサービスの実用化で先んじてきた。ナデラ最高経営責任者(CEO)は7月30日の電話会見で「われわれはAIによる技術変革のさなかにいる。MSの長期的な成長に自信を持っている」と強調した。
 ただ、クラウド事業は業界首位のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)やグーグルも含め、巨大ITがしのぎを削る。AWSが7月、人間の仕事を自律的に代行する「AIエージェント」の基盤を発表するなど、各社が巨額の投資を行い新サービスを投入する分野であり、MSは引き続き厳しい競争に直面する。 

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