トランプ氏弾劾の展示削除=米国立歴史博物館、政権が圧力 2025年08月01日 14時54分

トランプ米大統領=7月22日、ワシントン(AFP時事)
トランプ米大統領=7月22日、ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は31日、首都ワシントンの国立アメリカ歴史博物館がトランプ大統領の2度の弾劾訴追に関する記述を展示から削除したと報じた。ホワイトハウスから館長の解任圧力を受けたといい、政権による歴史修正の懸念を呼んでいる。
 同博物館はワシントンを中心に所在するスミソニアン博物館群の一つ。大統領権限の限界を扱った展示では、弾劾に直面したジョンソン、クリントン、ニクソン各大統領の説明に加え、2021年9月にトランプ氏の弾劾に関する記述も付記された。
 トランプ氏は政権1期目の19年と21年に下院で弾劾訴追されたが、いずれも上院の弾劾裁判で有罪評決に必要な賛成票が3分の2に至らず、無罪となった。
 ポスト紙の記事公開後、同博物館は展示内容に偏向がないか見直しを進めていると釈明。「今後は全ての弾劾訴追が展示に含まれる」と述べた。
 トランプ氏は大統領令で国立博物館などから「反米的な思想」を排除するよう命じ、従わない場合は連邦資金を停止する考えを示している。 

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