米ロ首脳「近く会談」=ウクライナ停戦へ駆け引き 2025年08月07日 20時03分

【ワシントン時事】トランプ米大統領は6日、ロシアのプーチン大統領と近く会談する可能性が「高い」と明らかにした。ロシアのウシャコフ大統領補佐官(外交担当)は7日、「両首脳が近く会談することで原則合意した」と発表。米ロ首脳の対面会談が実現すれば2021年6月以来で、22年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻後では初めてとなる。
ウシャコフ氏は、場所についても原則合意したが、別途明らかにされると説明。早ければ来週の開催を目指す考えを示した。プーチン氏は7日、記者団に対し、アラブ首長国連邦(UAE)を「開催に適した場所の一つ」と例示した。
ロシアとウクライナの停戦交渉は進展が見られず、トップ交渉で事態打開を図る狙いがあるとみられる。米側が対ロ制裁強化の構えを崩さず、会談実現に不透明感も漂う中、双方の駆け引きが続いている。
「戦争を終結すべきだという点で誰もが一致している」。トランプ氏は6日、自身のSNSにこう投稿し、停戦交渉仲介に改めて意欲を示した。
モスクワでは6日、米国のウィトコフ中東担当特使がプーチン氏と約3時間にわたって会談。トランプ氏はその後、自身のSNSで「大きな進展があった」と評価した。ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシアは停戦により前向きになったようだ」との見方を示した。
複数の米メディアによると、トランプ氏はプーチン氏と会談した後、ゼレンスキー氏も交えた3者会談を開きたい考えだ。ただ、ウシャコフ氏は「3者会談についてウィトコフ氏は(プーチン氏との会談で)言及したが、具体的に議論していない。われわれは2国間会談の準備に集中するよう提案している」と述べた。
トランプ氏は8日までに停戦に応じない場合、制裁を強化するとロシアに警告している。米当局者は6日、ロシアと貿易や金融取引を続ける第三国の個人や団体に行う「2次制裁」を予定通り8日に発動する見通しを表明した。
また、米ロ首脳会談が実現しても、停戦につなげるのは容易ではない。トランプ氏は6日、ホワイトハウスで記者団から停戦交渉の突破口を見いだしたのかと問われると、「突破口とまでは言えない」と言葉を濁した。