トランプ氏、プーチン氏前に失態の過去=トップ会談、ロシア主導に懸念 2025年08月15日 15時16分

大阪で開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で会談するトランプ米大統領(右)とロシアのプーチン大統領=2019年6月(AFP時事)
大阪で開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で会談するトランプ米大統領(右)とロシアのプーチン大統領=2019年6月(AFP時事)

 【アンカレジ時事】トランプ米大統領は第1次政権時(2017~21年)、ロシアのプーチン大統領とたびたび対面し、個人的関係を構築した。だが、外交巧者のプーチン氏を相手に思うような成果を挙げられず、失態を招いた過去もある。15日に米アラスカ州で行われる首脳会談でも、プーチン氏が主導権を握り、ロシアに有利な形で協議を進めるとの懸念は根強い。
 トランプ氏が1期目にプーチン氏と直接対面したのは、会談や短時間の会話を含めて計6回。初会談は17年7月、ドイツ・ハンブルクでの20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせて行われた。その後も多国間会議の場で顔を合わせ、翌18年7月にフィンランドの首都ヘルシンキで開かれた会談は大きな波紋を広げた。
 当時、ロシアが16年の米大統領選に介入し、トランプ陣営と連携していたとの疑惑が浮上。米情報機関がロシアの介入を認定したにもかかわらず、会談後の記者会見で「干渉したことは一切ない」と主張したプーチン氏にトランプ氏が同調し、米国内で批判が噴出した。トランプ氏は後日、介入は事実だったと発言の訂正に追い込まれた。
 両氏は19年6月、大阪でのG20サミットで再び会談した。記者団から冒頭、翌20年の米大統領選に介入しないよう求めるか問われると、トランプ氏はプーチン氏の方を向き、「選挙に介入するな」と要求。苦笑しながら警告する姿にロシアへの圧力は皆無だった。
 トランプ氏は1期目退任後もプーチン氏と多くて7回、電話でやりとりしていたと報じられている。22年2月のロシアのウクライナ侵攻を巡っては、プーチン氏を「天才だ」と称賛したこともあるが、最近では停戦に応じないことに「非常に失望している」と批判的な態度に転じていた。
 15日の首脳会談について、トランプ氏は「最初の2分でディール(取引)がまとまるか分かる」と豪語するが、スティーブン・パイファー元駐ウクライナ米大使は、ロシア側の要求を認めるよう「プーチン氏がわなにはめようとするだろう」と警告。トランプ氏が安易に譲歩せず、強硬な姿勢でプーチン氏と渡り合えるかが会談の成否を握ると分析する。 

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