プーチン氏、アジアと関係強化アピール=ロシア極東で経済会議出席 2025年09月05日 16時43分

5日、ロシア極東ウラジオストクで、中国の李鴻忠・全国人民代表大会(全人代)常務副委員長(左)と握手するプーチン大統領(AFP時事)
5日、ロシア極東ウラジオストクで、中国の李鴻忠・全国人民代表大会(全人代)常務副委員長(左)と握手するプーチン大統領(AFP時事)

 ロシアのプーチン大統領は、極東ウラジオストクで政府が主催した第10回東方経済フォーラムに参加した。ラオスやモンゴル、中国の要人と4、5両日に個別会談を行い、5日の全体会合でも同席。ウクライナ侵攻開始から3年半が経過する中、西側諸国の制裁と距離を置くアジアの「友好国」との関係強化をアピールした。
 プーチン氏は5日、全体会合に先立ち、中国の李鴻忠・全国人民代表大会(全人代)常務副委員長と会談。中国側がロシア人の短期滞在ビザ(査証)免除を発表したことについて「ロシアも同様に対応する」と約束し、観光やビジネスでの交流促進に期待を示した。
 全体会合の演説では、物流に力点を置き、アジアとつながる北極海航路の発展の必要性を強調。ロシアと北朝鮮との国境を流れる豆満江に架かる道路橋が建設中で「来年にも開通する」と述べた。
 プーチン氏は8月に米アラスカ州でトランプ大統領と会談。「非友好国」に指定した欧州諸国との対立を深める一方、極東での経済協力をてこに対米関係正常化を模索する。ウクライナでの和平を前提に石油・天然ガス開発への米企業復帰などを検討しているとされる。
 プーチン氏は4日、ウラジオストクに完成した政府広報拠点の国立センター「ロシア」分館を訪問。ウクライナの最前線に投入する太平洋艦隊第155海軍歩兵旅団に関する展示を視察し、愛国的な若者と交流した。純粋にフォーラムを通じた経済発展に光を当てるだけでなく、戦時色の濃い日程となった。 

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