英労働党大会が開幕=支持低迷、首相交代論も 2025年09月27日 15時11分

【ロンドン時事】スターマー英首相が党首を務める与党労働党の党大会が28日から4日間の日程で、中部リバプールで開かれる。昨年7月の総選挙で労働党が大勝し、政権に就いてから1年強。首相はこの間の実績を誇示し、党内結束を図る構えだが、支持率は振るわず不祥事で政権批判も噴出。党首交代論も出るなど求心力低下は顕著だ。
スターマー氏は首相就任以降、主な外交懸案であるウクライナ支援を巡り、マクロン仏大統領と共に欧州主体の「有志連合」を主導。最近は国賓として来訪したトランプ米大統領との会談をそつなくこなしたほか、与党内の強い要求に応えてパレスチナの国家承認に踏み切り、その「実行力」に一定の評価を得た。
しかし、内政に目を転じると、最重要課題の移民問題や経済対策で目立った成果を挙げられず、国民の不満は鬱積(うっせき)している。今月に入って右腕だったレイナー副党首が税金問題で辞任。少女らへの性的虐待で起訴され自殺した米富豪エプスタイン被告との関係を巡り、駐米大使の解任も余儀なくされ、首相の責任論が沸き起こった。
ユーガブ社の今春以降の支持率調査では、右派ポピュリスト政党「リフォームUK」が一貫してトップ。労働党は次点に甘んじ、両党の差は10ポイント近い。今月の調査では、スターマー氏の好感度は主要政党の党首で最も低かった。
こうした状況下で、党の重鎮バーナム・マンチェスター市長が最近結成した党内グループが注目を集めている。政策研究の場だが、次期党首の筆頭候補とされる同氏の「スターマー後」を見据えた動きだと党内外で受け取られている。首相は「内乱」を警戒しつつ党大会に臨むことになる。