中国に英機密情報流出か=ジョンソン政権、隠蔽疑惑も―英紙 2025年10月16日 18時48分

【ロンドン時事】中国が英政府機関のデータ転送システムに侵入し、長年にわたり「膨大な量」の機密情報を得ていた可能性が浮上している。当時のジョンソン政権は問題を認識していたが、対中関係を考慮して公表しなかったという。英紙タイムズが16日、ジョンソン元首相の最側近だったカミングス元官邸上級顧問の証言を基に報じた。
カミングス氏によると、侵入には「英国の重要な国家インフラに関与する中国系企業」が関わっていた。安全保障に関連したデータのほか、政府の「最高機密情報」が流出した可能性がある。元首相やカミングス氏は2020年に報告を受けたが、内閣府高官から「メディアとこの件を議論するのは違法」と警告を受け、隠蔽(いんぺい)が行われた。
カミングス氏のほか当時の政権幹部も中国に機密情報が転送された事実を確認した。情報は暗号化されているが、現在も中国当局がアクセスできる可能性があるという。カミングス氏は「国の安全より中国マネーを優先する政治的選択がなされた」と指摘した。
BBC放送によると、現在の内閣府報道官は「政府のデータ転送システムが侵入されたという主張は虚偽だ」と否定している。