日本酒普及へ邦人女性奮闘=厳選銘柄売り込み、創作料理も―インド 2025年09月29日 06時24分

インドで日本酒の販路拡大に取り組む高岡麻彩さん=11日、西部ムンバイの飲食店(高岡さん提供・時事)
インドで日本酒の販路拡大に取り組む高岡麻彩さん=11日、西部ムンバイの飲食店(高岡さん提供・時事)

 【ニューデリー時事】日本酒の海外輸出事業を手掛ける高岡麻彩さん(37)=京都府大山崎町出身=がインドで販路拡大に取り組んでいる。自ら厳選した銘柄を現地の業者や飲食店に売り込み、その魅力を伝えようと奮闘している。
 高岡さんは学生時代、芸能活動に従事。ネット通販大手企業勤務などを経て、友人の勧めで日本酒の利き酒師の資格を取った。
 取得は軽い気持ちだったが、酒蔵を訪れた際、職人が「自分の子どものように」酒造りする様子を見て魅了された。全国の銘柄を顧客に定期的に届ける企業「日本酒にしよう」を立ち上げ、最高経営責任者(CEO)に。その後インドの活気と未開拓の巨大市場に引かれ、今年同国に渡った。
 日本酒の昨年のインド向け輸出額は約2200万円。人口規模が近い中国の約117億円に遠く及ばない。移り住んだ西部の商都ムンバイでは現地の業者と共に飲食店に飛び込み、提携先を開拓。今月中旬には現地のアジア料理店で日本酒イベントを開き、自らキッチンに立って日本酒に合う創作料理も提供した。
 インドは宗教上の理由から飲酒しない人も多い。しかしムンバイではカクテルをたしなむ文化が広まっており、日本酒を用いたカクテルも提案している。「日本酒がこんなにおいしいんだと知ってもらいたい」と力を込めた。仕事と並行し、歌手としても活動。現地のイベントなどで歌声を披露している。 

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