新型iPhone、米価格を維持=トランプ関税で値上げ懸念も 2025年09月10日 17時14分

【シリコンバレー時事】米アップルが9日、新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)17」シリーズを発表した。トランプ米政権が進める高関税政策の影響で値上げの懸念もあったが、米国内での販売価格はおおむね前世代の「16」シリーズから維持した。
アップルの主力製品であるアイフォーンの新型発表は、廉価版を除けば、1月の第2次トランプ政権発足後初。アップルはこの間、関税の影響を避けるため米国向け生産拠点を中国からインドにシフトするなど対応を進めていた。7~9月期に関税関連で11億ドル(約1600億円)の追加コストが発生すると見込んでいた。
今回の発表では、標準機種の「17」、大型画面を持つ最上位機種の「17プロマックス」の米国での価格は据え置き。ただ、「17プロ」は、最低記憶容量の引き上げに伴い、最も安いものが100ドル上がった。アイフォーン史上最薄の端末としてラインアップに加えた「エア」もやや高めの価格設定とした。
アップルは、トランプ氏からアイフォーンを米国産にしなければ「25%の関税を課す」と圧力をかけられ、8月に部品のサプライチェーン(供給網)の国内移行計画などを発表した。今回の価格据え置きも、関税の影響で値上げを表明した企業を名指しで非難するトランプ氏に配慮した可能性がある。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「新型モデルや性能の向上を値上げの理由とすることで、アップルはトランプ関税を非難することを避けられる」と論評した。