日本が議論主導を=古沢満宏元財務官インタビュー・G20 2025年02月22日 14時55分

―世界経済の現状と会議の注目点は。
世界経済は新型コロナ禍によるサプライチェーン(供給網)の混乱や、その後のウクライナ侵攻を背景にインフレが進んできたが、現在は各国の金融政策がうまく対応してきたこともあり収まりつつある。ただ、今後は米国や日本、欧州でも財政支出圧力が高まり、再びインフレ率が上昇する可能性もある。各国の債務や企業の資金調達に影響しかねず、G20でも議論されるだろう。
―トランプ米大統領は国際協調に否定的だが、日本の役割は。
引き続き、国際協調に向けたまっとうな議論をリードし続けることだ。来年G20の議長国を務める米国は世界の国内総生産(GDP)の4分の1を占めているが、残りの4分の3を持つ他国を無視して政策を進められるわけではない。協調が全体のメリットになると米国を説得できるか。超大国でもグローバルサウス(新興・途上国)でもない日本にも期待されている。
―その他の議論のポイントは。
議長国の南アフリカはアフリカ経済に焦点を置き、過剰債務やドル高などの問題で議論を深めたいと考えているだろう。(巨大デジタル企業など)国境を越えて活動する企業に協調して課税するために議論してきた国際課税は、米国の離脱表明で逆方向の力が働き、今後の姿が見通せなくなった。(G20が議論してきた)国際金融機構改革も具体的な将来像が見えてこない。