沖縄北部観光の起爆剤に=「ジャングリア」に高まる期待 2025年08月16日 15時26分

開業したテーマパーク「JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)」=7月25日、沖縄県今帰仁村
開業したテーマパーク「JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)」=7月25日、沖縄県今帰仁村

 沖縄の豊かな自然を体感できるテーマパーク「JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)」(今帰仁村、名護市)が7月25日に開業した。夏休みの親子連れらでにぎわい、北部観光・経済の起爆剤として期待が高まる。経営が苦しいテーマパークも多い中、成功事例となるか―。
 「鉄とコンクリートのテーマパークとは全く違う」。企画したマーケティング会社「刀(かたな)」(大阪市)の森岡毅代表は自信を見せる。
 「やんばる地域」の大自然を生かした数々のアトラクションが売り。特に「素通り」が課題になってきた北部観光の目玉として地元の期待は大きく、宮本勝浩関西大名誉教授らの試算によると、開業後15年間の経済波及効果は約6兆8080億円、約88万人の雇用創出が見込まれる。
 観光バスなどによる交通渋滞も懸念されるが、無料シャトルバスの運行に加え、沖縄県も道路拡張などで対応する構え。玉城デニー知事は「沖縄観光の魅力とブランド力が向上し、多くの観光客の来訪に期待する」と強調する。
 ただ、テーマパーク運営は東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市)など一部を除くと厳しいのが実情。近年は福岡県のスペースワールドや東京都のとしまえんが閉鎖しており、山口有次桜美林大教授は「レジャーの多様化、高質化で、二極化が進んでいる」と話す。
 一方、「設備に再投資し続け、消費者のニーズをつかみ続けられるパークが堅調な運営をしている」と分析、ジャングリアについては「日本で唯一といった特徴が出せるかが生命線」とみる。
 森岡氏は「地域の皆さまと力を合わせ観光目的地として育てたい」とし、今後インバウンド(訪日客)へのアピールも強めたい考え。自然体験というコンセプトで仮想現実やゲームに慣れた消費者のニーズにいかにつかむか、挑戦は続く。 

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開業したテーマパーク「JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)」を訪れた人たち=7月25日、沖縄県今帰仁村
開業したテーマパーク「JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)」を訪れた人たち=7月25日、沖縄県今帰仁村
ジャングリア沖縄の開業前夜セレモニーであいさつするマーケティング会社「刀(かたな)」の森岡毅代表(左)=7月24日、沖縄県今帰仁村
ジャングリア沖縄の開業前夜セレモニーであいさつするマーケティング会社「刀(かたな)」の森岡毅代表(左)=7月24日、沖縄県今帰仁村

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