「米国第一」測る試金石に=東短リサーチの加藤出チーフエコノミスト・インタビュー―G20 2025年02月22日 14時57分

―G20財務相会議の意義は。
1992年、世界の国内総生産(GDP)の7割弱はG7(先進7カ国)が占めていたが、2024年には45%に低下した。一方、アフリカ連合を除くG20の合計は87%となり、世界経済をカバーする重要な会議だ。議長国の南アフリカは豊富な資源を持ち、GDP規模の割に世界経済に対する影響力がある。今回の会議は、気候変動などグローバルサウスと先進国に溝がある課題を巡り、踏み込んだ議論をする機会だったが、そこにトランプ米政権発足という波乱要因が加わった格好だ。
―米国が保護主義的な姿勢を強めている。
会議はトランプ大統領が掲げる「アメリカ・ファースト(米国第一)」の本気度を測る試金石になる。「ディール(取引)」のための脅しであれば交渉の余地があるが、米国の外交政策が本格的に米国第一に振れるのであれば、諸外国は貿易面でのダメージや安全保障環境の激変などを覚悟する必要がある。少なくとも、自由貿易体制を守ることが自国の利益にかなうということを米国は否定している。
―国際課税を巡る議論に進展はあるか。
現在は、米国の巨大IT企業に世界中が利益を持っていかれており、適切な課税ができないのは不公平だ。進展は期待しにくいが、反対する米国に対し、諦めずに働き掛けていく必要がある。