底堅い景気で下げ渋り 2025年03月11日 14時36分
アセットマネジメントOneシニアストラテジスト浅岡均氏
東京株は底堅い景気で下げ渋っている。値がさ株の多い日経平均株価は下値めどを割り込んだが、東証株価指数(TOPIX)の変動率は相対的に不安定とは言えない。
3月はそもそも買い手不足で、2024年度通期決算の公表まで材料が乏しい。日経平均の一段の下落への警戒はあるものの、いずれ買い戻しが入るだろう。外部環境に左右されづらい内需系やエンターテインメント銘柄が物色され、TOPIXの下値は底堅いとみる。
ただ、海外投資家が日本株に注目するカタリスト(触媒)が見当たらない。日銀の利上げ継続シナリオに加え、足元の減税規模を考えると、日本株は財政拡張路線の欧州や中国に比べて見劣りする。特に短期勢にとって魅力が薄い。
日本の景況感は安定しているが、物価上昇に対する国民感情と政府の認識に開きがある。今夏の参院選で今以上に政治が不安定化すると、株式市場のリスク要因になる。