ハマスは交渉妥結へ「行動を」=バイデン米大統領、態度軟化要求 2024年04月11日 14時14分

 【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止と人質解放を巡る交渉で、バイデン米大統領は10日、「テーブル上にある新しい休戦案(を受け入れるか)は、ハマス次第だ。彼らは作成された提案に向かって行動を起こす必要がある」と述べ、ハマスに態度軟化を促した。ワシントンでの記者会見で語った。
 仲介役の米国などは先週末、エジプト・カイロで協議し、ハマス側に新たな案を提示。ハマスからの返答を待っているが、イスラエルとは「根本的な相違」(地元テレビ)があるとされ、交渉妥結は容易ではない。
 バイデン氏は記者会見で、同案は米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が主導して取りまとめたと指摘。具体的内容は不明だが、イスラエルのメディアによると、6週間の休戦期間中にハマスが人質40人を解放し、イスラエルが収監中の囚人900人を釈放することが盛り込まれている。過去の案よりも釈放する囚人数が200人増加しているが、ハマスは依然として恒久停戦などを要求し、両者の隔たりは大きいもようだ。
 イスラエル高官は地元テレビに対し、ハマスのガザ地区トップ、ヤヒヤ・シンワル氏が「交渉を引き延ばし、取引を拒否している」と説明。「(ハマス側からの)否定的反応はまだないものの、期待は持たない方が良い」と述べた。
 一方、イスラエル軍は10日、ハマスの最高指導者ハニヤ氏の息子3人を空爆で殺害したと発表した。軍は、3人がいずれもハマスの戦闘員で、「テロ行為を行う途中だった」と説明した。イスラエル当局者は、息子殺害でハマスとの交渉がより困難になる可能性があるとの見方を示した。 

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