与党優勢、モディ首相3選濃厚=有権者9.7億人、投票まで1週間―インド総選挙 2024年04月12日 14時37分

演説するインドのモディ首相=6日、西部プシュカル(AFP時事)
演説するインドのモディ首相=6日、西部プシュカル(AFP時事)

 【ニューデリー時事】5年の任期満了に伴うインド下院(定数545)総選挙の投票開始まで12日で1週間。経済成長が続く中、各世論調査では与党インド人民党(BJP)の圧勝が見込まれ、モディ首相の3期目入りが有力視されている。対する野党連合はまとまりを欠き、厳しい情勢だ。
 投票は19日を皮切りに全土で7回に分けて実施。6月4日に一斉開票する。「世界最大の民主主義国」を自負するインドは昨年、中国を抜き14億2600万人で世界一の人口大国になった。選管によると、有権者数は約9億6880万人。
 モディ氏は2014年の首相就任以降、トップダウン型の政権運営や積極的な外資導入などでおおむね年率7%前後の高い経済成長を実現。次の任期でインドは「世界3位の経済大国になる」と豪語してきた。半面、ヒンズー至上主義色が濃く、少数派のイスラム教徒に厳しい政策を取ったり、捜査機関を使い政敵を排除したりする姿勢も目立つ。3期目は強権化に拍車が掛かる恐れもある。
 地元民放インディアTVなどが3月に実施した調査では、小選挙区で選ばれる543議席のうちBJPを中心とする与党連合は399議席、BJP単独でも過半数の342議席を得るとの予測が出た。一方、国民会議派を軸とする野党連合「インド国家開発包括同盟(INDIA)」は94議席にとどまる。
 BJPは303議席を得た前回19年を大幅に上回る370議席獲得を目指す。モディ氏は6日、西部ラジャスタン州での集会で経済成長の実現やインフラ整備といった約10年の実績を強調。「BJPだけがこの国に必要な発展をもたらすことができる」と訴えた。
 一方、国民会議派は深刻化する若年層の失業率改善や低カースト層への優遇策などを選挙公約に盛り込んだ。同党を実質的に率いるラフル・ガンジー元総裁は5日の記者会見で、BJPを念頭に「憲法や民主主義を破壊しようとする人々との戦い」と強調。「メディアが伝えるプロパガンダよりも接戦だ」と語り、勝利への自信をのぞかせた。 

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