「中国へ強力なメッセージ」=日米との首脳会談で識者―比 2024年04月12日 17時53分
【マニラ時事】米国で行われた日米比首脳会談で、フィリピンのマルコス大統領は「われわれが望む将来の在り方を定義し、それを共にどう成し遂げていくのかを話し合う好機だ」と強調した。同国の識者からは「歴史的というだけでなく、中国への強力なメッセージとなり得る」と指摘する声が聞かれた。
中国が覇権主義的な動きを強める南シナ海では、中国海警局の艦船と比沿岸警備隊の船舶がトラブルになるケースが相次いでいる。
中国との関係を重視したドゥテルテ前大統領とは異なり、マルコス大統領は今回の3カ国会談で、安全保障面で米国などと連携していくことを明確に打ち出した。マニラに拠点を置くシンクタンクのアナリスト、チェスター・カバルサ氏は「南シナ海で挑発的な行動を繰り返す中国に対し、国際秩序を守るよう呼び掛ける強力なメッセージとなった」と解説。「3カ国による包囲網は、中国を抑え込む上で効果的だ」と述べた。
さらに有事の際には、米国が相互防衛条約に基づきフィリピンを守ると確約したことも「大変意義がある」と評価。「世界でも重要なシーレーン(海上交通路)を守る上でも、各国の海洋資源を保護する上でも、今回の会談には大きな意味があった」と分析した。