中国、反スパイの教育宣伝強化=「国家安全日」へ各地で活動 2024年04月13日 05時33分
【北京時事】中国の習近平政権が「全民国家安全教育日」の15日を前に、スパイ防止や摘発に関する宣伝を強化している。摘発を担う国家安全省はSNSの発信を活発化。各地方政府も競うように宣伝活動をアピールしている。
「国家安全を守るのは市民一人ひとりの責任であり義務だ」。国家安全省は12日、こうした文言と共にスパイ活動などの通報先を載せたポスターを公表。SNSでは「海外のスパイ情報機関の浸透活動に厳しい打撃を与えてきた」と取り締まりの成果を強調した。
地元メディアによれば、天津市は国家安全日に合わせ、天井や床まで「国家安全」の啓発広告を掲示した地下鉄車両を運行。貴州省では、国家安全をテーマにした映画の野外上映会が開かれた。子どもを対象に、ゲームを通じて知識を広める活動も各地で行われている。
習国家主席は「国家安全」を重視し、外国人や外国と関わる中国人への監視を強めてきた。特に、2014年に制定され、昨年改正された「反スパイ法」を巡っては、定義があいまいで司法プロセスが不透明なことなどから、外国人らの間で懸念の声が上がっている。