低所得国の過剰債務減免を=「1国でも」弾みに―世銀幹部 2024年04月15日 19時15分

インタビューに応じる世界銀行のインダーミット・ギル上級副総裁兼チーフエコノミスト=12日、ワシントン
インタビューに応じる世界銀行のインダーミット・ギル上級副総裁兼チーフエコノミスト=12日、ワシントン

 【ワシントン時事】世界銀行のギル上級副総裁兼チーフエコノミストは、15日までに時事通信のインタビューに応じ、低所得国の過剰債務の減免が実現することに期待感を示した。交渉は難航しているが、「実際に1国でも減免されれば、債務再編メカニズムが動き始める」と述べ、事態打開への弾みになると強調した。
 15~20日の世銀と国際通貨基金(IMF)の春季会合では、過剰債務国と債権国、民間債権者が一堂に会した「円卓会議」が開催される。2020年、コロナ禍でデフォルト(債務不履行)状態に陥ったアフリカ南部ザンビアを筆頭に、数カ国が債務再編に向け協議中だが、依然として「減免額はゼロ」(ギル氏)だ。
 ギル氏は、最近の景気回復で各国債務の国内総生産(GDP)比率が低下しているものの、金利上昇により低所得国の「債務支払い負担は依然として非常に高水準だ」と警告。また、中東の対立拡大などのショックが成長を鈍化させる可能性に懸念を示した。実際、イランのイスラエル攻撃で、中東全体への紛争拡大リスクが高まっている。 

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