中国外相がパプア訪問=対米接近をけん制 2024年04月21日 18時38分

21日、ポートモレスビーでパプアニューギニアのマラペ首相(右)と握手する中国の王毅共産党政治局員兼外相(AFP時事)
21日、ポートモレスビーでパプアニューギニアのマラペ首相(右)と握手する中国の王毅共産党政治局員兼外相(AFP時事)

 【シドニー時事】中国の王毅共産党政治局員兼外相が20、21両日、太平洋の島国パプアニューギニアを訪問した。マラペ首相、トカチェンコ外相と会談し、経済関係を強化していくことを確認した。パプアは昨年5月、米国と防衛協力協定を締結しており、王氏の訪問には米パプア両国の接近をけん制する狙いがあるとみられる。
 王氏は21日のマラペ氏との会談で、「自由貿易協定(FTA)交渉を加速させ、経済、貿易、エネルギー、金融、インフラ整備などで協力を強化したい」と表明。マラペ氏は「中国と互恵協力を深化させたい」と応じた。
 また、王氏は20日、外相会談後の記者会見で「島しょ国は大国の裏庭ではない」と述べ、米国の地域への関与をけん制。米英オーストラリアの安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」に関しても「陣営間の対立を生み出そうとする試み」などと強く非難した。
 中国は2022年にソロモン諸島と安保協定を締結。中国自身が島しょ国を裏庭化する動きとして西側諸国は懸念を強めている。 

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