世界の軍事費、過去最高=安保環境悪化で前年比7%増―国際平和研 2024年04月22日 07時37分

パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスで、イスラエルの砲撃によって破壊された建物(AFP時事、資料写真)
パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスで、イスラエルの砲撃によって破壊された建物(AFP時事、資料写真)

 【ロンドン時事】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は22日、世界の2023年の軍事費が前年比で実質6.8%増の総額2兆4430億ドル(約378兆円)となり、過去最高だったと発表した。ロシアのウクライナ侵攻や中東での緊張激化など、世界各地で安全保障環境が悪化していることが影響した。
 軍事費膨張は9年連続。欧州やアジア太平洋、中東地域で増加傾向が目立ち、中でもロシアの脅威が高まる欧州では、北大西洋条約機構(NATO)に加盟するほぼ全ての国が防衛支出を増やした。NATOは今年3月に加盟したスウェーデンを除く31カ国を合わせると、全世界の支出の55%を占めた。
 イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突など軍事的緊張が続く中東は、地域全体で前年比9%の増加。年間の上昇率としては過去10年間で最大という。アジアでは、米国に次ぐ世界第2位の支出国である中国が同6%増。中国の台頭に懸念を深める日本と台湾は、それぞれ同11%増えた。 

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