尹大統領、対話姿勢に転換=「独善」批判受け―韓国 2024年04月23日 17時36分

22日、ソウルの韓国大統領府で人事を発表する尹錫悦大統領(EPA時事)
22日、ソウルの韓国大統領府で人事を発表する尹錫悦大統領(EPA時事)

 【ソウル時事】韓国の尹錫悦大統領が、野党や報道機関と対話する姿勢に転換している。検察出身の尹氏は情報発信が苦手で「独善的」との批判も出ていたが、10日に行われた総選挙で与党が惨敗した後は態度を一変。自らメディアの取材を受けたほか、野党代表との会談も調整している。
 「質問はありますか」。尹氏は22日、自ら記者会見場を訪れ、大統領府の要職人事を発表し、にこやかな表情で記者に質問を促した。総選挙後の国政運営の変化について問われると、「国民にもう少し近づいて意思疎通する」と率直に答えた。
 2022年5月に就任した当初、尹氏は登庁時に記者の質問に答えるぶら下がり取材に応じていたが、半年で取りやめた。この後、外国首脳との共同会見などを除き、尹氏は記者の質問に直接答えることを避けてきた。保守系紙・中央日報は社説で「総選挙前とは違う歩み」と評価した。
 総選挙で、尹政権を支える与党「国民の力」は、過半数の議席獲得を目指したが、改選前から勢力を減らす大敗となった。敗因の一つに指摘されるのが、尹氏のコミュニケーション不足。世論調査機関「韓国ギャラップ」が19日に発表した調査で、68%が「政権を支持しない」と回答した。その理由として、17%が「意思疎通の不足」を挙げ、18%の経済政策に対する不満に次いで多かった。
 国会で最大野党「共に民主党」が単独過半数を占める中、法案成立のためには野党との協力が不可欠。共に民主党の李在明代表との会談は、今週中にも行われる見通しだ。尹氏は「(李氏の)話をたくさん聞くために会談を呼び掛けた」と説明。話題に制限を設けずに意見交換する考えだ。 

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