タクシン氏「後継者」、手腕は未知数=タイ新首相のペートンタン氏 2024年08月16日 15時01分
タイでかつて絶大な人気を誇ったタクシン元首相の次女。父が最も信頼を置く直系の後継者としてタイ史上最年少の首相となるが、政治経験は乏しく手腕は未知数。親軍政党と手を組んだことで急落した支持率をどう回復するかも課題だ。
バンコク生まれ。名門チュラロンコン大政治学部を卒業後、タクシン一家が所有するホテル運営会社の取締役などを経て、2023年5月の総選挙でタイ貢献党の首相候補の一人となった。
若さに加え、タクシン派が当時持っていた「反軍」「経済に強い」といったイメージもあり、総選挙前は世論調査の支持率が一時30%台でトップだった。しかし、選挙後に貢献党が長年対立してきた軍を支持する政党などと連立政権を発足させ、帰国したタクシン氏が恩赦で「優遇」されると人気は急降下。今年6月の調査では支持率が4%にまで落ち込んだ。
タクシン氏は「娘は優れたリーダーになる。私ができることは何でもできる」と公言する。ただ、警察官僚から実業家に転身して成功を収め、自ら党を立ち上げて首相に上り詰めた父と比べると、政治分野での実績はほぼない。
家族の中には首相となることに慎重論もあったとされる。「コミュニケーション力が高い」と評価される特徴を生かして連立政権をまとめ、効果的な経済対策を実行できるかが、安定した政権運営と人気回復のカギとなりそうだ。
夫は元パイロット。選挙期間中に長男を出産した。他に長女がいる。