ガザ避難民攻撃でイスラエル非難=インフラ標的に重大懸念―国連弁務官 2025年04月30日 14時47分

【カイロ時事】ターク国連人権高等弁務官は29日、パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍が避難民への攻撃を続けているとし、「敵対行為に直接関与していない民間人を意図的に狙った攻撃は戦争犯罪に当たる」と批判した。また、給水など命に関わるインフラへの攻撃に重大な懸念を表明した。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のまとめでは、イスラエル軍がガザでイスラム組織ハマスへの攻撃を再開した3月18日から4月27日にかけて、避難民が身を寄せる居住用建物に259回、テントに99回の攻撃が加えられた。テントへの攻撃のうち40回は、イスラエルが人道地区として避難先に指定してきた南部マワシ地区で発生しており、ターク氏はすべての事案で徹底した調査が必要だと訴えた。
ターク氏はまた、重機や給水車など救援活動に欠かせない機材のほか、医療施設への攻撃が続いていると非難。イスラエルが3月2日以降、ガザへの物資搬入を阻止していることに関しても「搬入阻止が9週目に入る中、この人道面の破滅的状況がかつてない水準に悪化することのないよう、国際社会は一致して努力しなければならない」と呼び掛けた。