報復恐れすくむ穏健派=トランプ派「個人崇拝」も―米共和 2025年04月30日 14時52分

マカウスキ米上院議員=1月23日、ワシントン(EPA時事)
マカウスキ米上院議員=1月23日、ワシントン(EPA時事)

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は、2期目就任後の100日で大統領令を乱発し、議会軽視の政権運営を進めてきた。上下両院で多数派の与党共和党に、政権の「暴走」を止める動きは見られない。トランプ氏と距離を置いてきた穏健保守派は、報復を恐れ身をすくめている。一方、「トランプ派」の間では個人崇拝に近い大統領礼賛の動きが広がっている。
 「皆、おびえている」。アラスカ州選出のマカウスキ上院議員は4月、支持者との会合で党穏健派の思いを吐露した。
 同氏はロシアに融和的なトランプ氏の姿勢を批判し、対立したこともある。だが、今は「声を上げるのが不安。報復される」と萎縮。トランプ氏に逆らった議員が、党予備選で「刺客」を差し向けられたり、自身や家族が嫌がらせを受けたりした例もある。
 一方、トランプ派の議員は大統領の歓心を買おうと躍起だ。下院ではトランプ氏の誕生日を祝日にする法案や、首都の玄関口であるダレス国際空港を「トランプ国際空港」に改称する法案が提出された。
 こうした法案が可決される見通しはなく、忠誠心を示すパフォーマンスの色彩が濃い。功績をたたえるため、退任した大統領の名前を公共施設や空母の名称とすることはあるが、政権発足直後の動きに野党民主党は「まるでカルトだ」と眉をひそめている。 

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