李在明候補の無罪判決破棄=審理差し戻し、大統領選へ逆風―韓国最高裁 2025年05月01日 15時34分

韓国の革新系最大野党「共に民主党」の大統領候補、李在明前代表=4月29日、ソウル(EPA時事)
韓国の革新系最大野党「共に民主党」の大統領候補、李在明前代表=4月29日、ソウル(EPA時事)

 【ソウル時事】韓国の革新系最大野党「共に民主党」の大統領候補である李在明前代表の公選法違反事件で、韓国最高裁は1日、有罪の判断を示してソウル高裁の無罪判決を破棄し、審理を差し戻した。6月3日投開票の大統領選に向け支持率で独走してきた李氏にとって逆風になる。
 李氏はソウル近郊の城南市長時代の都市開発を巡る汚職疑惑に絡み、2022年の前回大統領選に出馬した際に虚偽の発言をした罪に問われ、ソウル中央地裁は24年11月に有罪判決を言い渡した。しかし、ソウル高裁が今年3月、一審判決を覆し、検察が上告していた。
 最高裁は李氏の発言が虚偽事実の公表に当たると判断。高裁判決が「法理を誤解した」として、李氏を公選法違反で処罰すべきだと指摘した。最高裁が判断を下したことで、審理が続けば最終的に有罪が確定する可能性が濃厚。大統領選前に確定して李氏が出馬資格を失うことは考えにくいが、今回の事件を含め5件の刑事裁判を抱える李氏の「司法リスク」に再び焦点が当たりそうだ。
 最高裁は上告から約1カ月という異例の速さで決定を出した。3月の逆転無罪判決で追い風ムードが広がっていただけに、李氏には想定外の打撃だ。共に民主党の報道担当者は「司法の不当な大統領選への介入だ」と反発した。
 李氏は4月27日、共に民主党の予備選を89.77%という圧倒的な得票率で制し、公認候補に選出された。尹錫悦前大統領の「非常戒厳」宣言に端を発した「内乱の克服」を掲げ、有利に戦いを進めていたが、今回の判決で中道層の支持拡大にブレーキがかかりかねない。李氏は記者団に「私が考えていたのとは全く違う方向だ」と判決に不満を表明しつつ、「国民の意思が最も重要だ」と述べ、屈せず選挙に臨む考えを強調した。 

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