筋金入りの保守論客=閣僚未経験に不安も―メルツ新首相・横顔 2025年05月06日 23時34分

 【ベルリン時事】ドイツの新首相を務めるフリードリヒ・メルツ氏(69)は、保守政党キリスト教民主同盟(CDU)の中でも筋金入りの保守派論客として名をはせる。弁護士で、一時政界と距離を置き、財界に身を投じた経験を持つ経済通でもある。
 1989年に欧州議会議員に当選し、本格的な政治キャリアを開始。国内政治に転身後は、中道に傾くメルケル元首相(CDU)との路線対立から、2009年選挙に出馬せず10年余り議員活動を停止した。22年に党首に就くまでに、党首選で2度苦杯をなめた。
 州政府を含めて閣僚経験がなく、不安も指摘される。選挙期間中の今年1月には極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を頼りに、議会で不法移民対策の強化を求める決議を採択。選挙後には、新議会発足前にもかかわらず、「財政規律重視」の公約に反する形で、巨額財源を確保する基本法(憲法に相当)改正を実現させた。
 独西部ノルトライン・ウェストファーレン州ブリロン出身。妻は現役の地方判事で、3児の父。 

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