インドが「対テロ」軍事作戦=パキスタン領内も攻撃、死者多数か―交戦本格化に懸念・カシミール情勢 2025年05月07日 14時54分

7日、パキスタン東部パンジャブ州で、インドによるミサイル攻撃で被害を受けた建物(EPA時事)
7日、パキスタン東部パンジャブ州で、インドによるミサイル攻撃で被害を受けた建物(EPA時事)

 【ニューデリー時事】インド国防省は7日未明(日本時間同日早朝)、同国軍がパキスタンの「テロリストの施設」を攻撃したと発表した。4月下旬にパキスタンとの係争地カシミール地方のインド側支配地域で起きたテロへの報復。パキスタン軍は7日、インド側の攻撃により「民間人26人が死亡、46人が負傷した」と発表した。核兵器を保有する両国が本格的な交戦に突入すれば、地域情勢の不安定化は必至だ。
 インド軍はカシミール地方のパキスタン支配地域のみならず、パキスタンの東部ラホール近郊のムリドケや中部バハワルプルなどを攻撃した。一方、パキスタン軍は「インドの戦闘機5機を撃墜した」と表明。AFP通信によると、同地方の実効支配線を挟んで両軍が交戦し、インド側で少なくとも8人が死亡、29人が負傷した。
 インド側は、軍事作戦の標的が計9カ所で、インドに対するテロを計画・指揮する拠点だったと主張。パキスタン軍の施設は標的にしておらず、攻撃の対象や手段の選定では対応がエスカレートしないよう自制したとしている。
 一方、パキスタンはシャリフ首相を議長とする国家安全保障委員会(NSC)を開き、インドが民間施設を意図的に狙って水力発電所も標的にしたと非難。国際社会に対し、国際法や国際規範にあからさまに違反したとしてインドの責任を追及するよう求めた。 

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