攻撃激化「いっそ死にたい」=ガザ住民に広がる絶望 2025年05月19日 15時36分

【カイロ時事】イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザで、イスラム組織ハマス壊滅に向け軍事作戦を拡大した。停戦交渉の妥結は見通せず、住民が巻き添えになる可能性が高まっている。「いっそ死んでしまいたい」。壊滅的な生活環境に置き去りにされた住民は、時事通信の電話取材に絶望的な思いを打ち明けた。
北部ガザ市の避難テントで暮らすジャミル・アルガルバリさん(35)は「昼も夜も砲撃音がやまない」と恐怖を語った。2023年10月の衝突開始以降、妻と子供6人で10回以上も避難先を転々とした。「また南部に逃げなければ」。疲弊した声に力はない。
イスラエルは今年3月、ガザへの支援物資搬入を禁止。人道状況が一段と悪化する中、攻撃激化が追い打ちをかけた。「われわれが生きているのは地獄だ」と話すアルガルバリさん。いっそのこと、家族全員が一度に死んでしまえばと夢想しているという。
イスラエル軍は大規模攻撃に際し、住民に避難するよう勧告した。しかし、攻撃はガザ全域に及び、避難先も安全からは程遠い。
南部ハンユニスのハムード・アワイダさん(48)は「イスラエルは危険地域だと警告し、われわれが退避した先を爆撃する」と訴える。停戦は恒久的なものでなければならないとも強調。「米国の圧力なしでは実現しない」と、トランプ米政権の関与に望みを託した。