イスラエル、シリア首都空爆=「少数派保護」要求、米が中止要請 2025年07月17日 05時42分

16日、ダマスカスで一部破壊されたシリア軍と国防省の建物(AFP時事)
16日、ダマスカスで一部破壊されたシリア軍と国防省の建物(AFP時事)

 【イスタンブール時事】イスラエル軍は16日、シリアの首都ダマスカスで国防省や大統領宮殿近くを空爆し、シリア国営メディアは3人が死亡、30人以上が負傷したと伝えた。シリア南部スワイダ県で続くイスラム教少数派ドルーズ派と同教スンニ派とされるベドウィン(遊牧民)の衝突を巡り、イスラエルは自国内にも暮らすドルーズ派の保護を要求。スンニ派主導のシリア暫定政府への警告として空爆に踏み切った。
 米ニュースサイト「アクシオス」によると、トランプ米政権はシリアの不安定化を懸念し、イスラエルに空爆中止を要請。ルビオ米国務長官は16日にX(旧ツイッター)で、事態収拾に向けた「具体的措置」で一致したと表明し、全当事者に合意の順守を求めた。
 暫定政府は13日に始まった衝突を受けてスワイダ県に治安部隊を派遣。16日も交戦は収まらず、在英のシリア人権監視団によれば、市民ら300人超が死亡した。
 イスラエルのネタニヤフ首相は16日、「イスラエル軍がドルーズ派の同胞を救い、(シリアの)政権の悪党を排除するため行動している」と強調。カッツ国防相も暫定政府にスワイダ県からの治安部隊撤収を迫った。ザミール軍参謀総長は、対シリア方面での部隊増強を指示した。 

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16日、イスラエル軍の攻撃を受け、ダマスカスの軍施設を警備するシリア治安部隊(AFP時事)
16日、イスラエル軍の攻撃を受け、ダマスカスの軍施設を警備するシリア治安部隊(AFP時事)

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