巨大IT5社、増収増益=AI投資上積み相次ぐ―4~6月期 2025年08月01日 18時25分
【シリコンバレー時事】マイクロソフト(MS)やメタ(旧フェイスブック)など米巨大IT5社の2025年4~6月期決算が7月31日、出そろった。5社とも主力事業が好調で、前年同期から増収増益。トランプ政権が打ち出す関税政策で世界経済が不透明感を増す中でも、人工知能(AI)開発に向けた設備投資を上積みする動きが相次いだ。
MSはAI提供基盤となるクラウド事業が大幅に伸び、売上高と純利益がともに四半期として最高を記録。31日の米株式市場で、5社の中で最初に時価総額4兆ドル(約600兆円)を達成した。MSはAIインフラなどに向け、7~9月期に300億ドル(約4兆5000億円)以上の設備投資を行うと表明。米ブルームバーグ通信によると、前年同期から5割以上の増加となる。
米グーグルの親会社アルファベットも高いAIへの需要からクラウド事業が伸び、純利益が前年同期比19%増。25年通期の設備投資見通しを100億ドル(約1兆5000億円)上積みした。純利益が36%増と5社の中で最高の伸び率だったメタは今期、人間の知能を超えるAIの実現に向け開発体制を刷新。25年通期の設備投資額見通しを660億~720億ドル(約10兆~10兆8000億円)と、従来計画の640億~720億ドル(約9兆6000億~10兆8000億円)から上方修正した。
アマゾン・ドット・コムとアップルは関税の影響が懸念されたが、インターネット通販に端末事業と、それぞれの主力事業が好調で増収増益。ただ、先行きについては「何が起きるか知るのは不可能だ」(アマゾンのジャシー最高経営責任者)。アップルは税率の変更がない前提で、7~9月期に11億ドル(約1700億円)の追加コストを見込んでおり、楽観はできない。