死傷事故でテスラに賠償命令=運転支援巡り360億円―米陪審 2025年08月02日 09時18分

テスラのショールーム(EPA時事)
テスラのショールーム(EPA時事)

 【ニューヨーク時事】米南部フロリダ州の連邦地裁の陪審は1日、米電気自動車(EV)大手テスラの車が絡んだ死傷事故を巡る損害賠償訴訟で、テスラにも一部責任があると認め、被害者側に2億4300万ドル(約360億円)を支払うよう命じた。米メディアが報じた。事故車はテスラの運転支援システムを起動していた。
 テスラの運転支援システムを巡る訴訟で賠償命令が出たのは初めて。マスク最高経営責任者(CEO)は控訴する方針を表明した。
 報道によると、事故は2019年に同州で発生。車は一時停止の標識があり、赤信号が点滅していたT字路に時速100キロで突っ込み、付近に止まっていた別の車に衝突した。ぶつけられた車が2人の男女をはね、うち女性が死亡、男性が重傷を負った。運転手は当時、床に落とした携帯電話を拾おうとして前方を見ていなかった。
 陪審は、事故の責任のうち3分の1はテスラに、3分の2は運転手にあると判断。被害者側は、テスラの運転支援システムは運転手による状況監視が必要にもかかわらず、完全自動運転であるかのように過信させたと批判した。 

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