6.7億人が飢餓に直面=アフリカで悪化―国連機関 2025年08月01日 19時16分

ケニア北部マルサビットで息子に栄養補助食品を与える母親=2022年7月(AFP時事)
ケニア北部マルサビットで息子に栄養補助食品を与える母親=2022年7月(AFP時事)

 国連食糧農業機関(FAO)は1日、2024年時点で世界人口の約8.2%にあたる約6億7300万人が飢餓に直面したとする推計を発表した。FAOなど国連5機関が共同作成した報告書によると、世界の飢餓人口の割合は22年の8.7%から減少したが、アフリカなどで拡大が続いている。
 地域別では昨年、アジアで約3億2300万人、アフリカで約3億700万人、中南米で約3400万人が飢餓状態に陥った。アフリカでは飢餓人口が20%を超えた一方、南アジアと中南米では顕著な改善が見られたという。
 国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」は30年までの「飢餓ゼロ」を掲げるが、報告書では、同年までに約5億1200万人が慢性的な栄養不足に陥るとの予測も示された。うち約60%がアフリカに集中するとされ、FAOチーフエコノミストのマッシモ・トレロ氏は「今こそアフリカに注力すべきだ。農業システムの改革で飢餓をゼロに近い水準まで減らせると思う」と語った。 

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