島しょ国会議、域外パートナー招かず=台湾の扱い巡り混乱回避 2025年08月15日 16時28分

【シドニー時事】太平洋島しょ国の地域機構「太平洋諸島フォーラム(PIF)」は14日、ソロモン諸島で9月に開催する年次首脳会議の際に、日本、米国、中国、台湾などの域外パートナーの招待を見送ることを決めた。台湾の排除を中国が求める一方、台湾との協力継続を望む加盟国もあり、台湾の扱いを巡って会議が混乱するのを避けた形だ。
14日にフィジーで開かれたPIF外相会議で、議長国ソロモンが域外パートナーの招待見送りを提案し、了承された。中国は「台湾は中国の一部」と主張し、親中派のソロモンのマネレ政権に台湾排除を迫っていた。台湾のみを外せば「不公平」との批判を免れないため、約20の全パートナーを一律に招かないことでバランスを図った。
台湾は1990年代にPIFの「開発パートナー」となった。PIF加盟国のうち、パラオ、ツバル、マーシャル諸島は台湾と外交関係を維持している。昨年のPIF首脳会議では、台湾との交流継続がいったん声明に記載されたが、中国の圧力で閉幕翌日に削除された。
PIFに加盟するニュージーランドのピーターズ外相は「われわれ自身の課題に結束して取り組むことが重要であり、外部勢力の圧力や命令に屈してはならない」と強調。名指しを避けながらも、中国に対し強い不快感を示した。