米グーグルに制裁金5100億円=オンライン広告で競争法違反―EU 2025年09月06日 08時09分

 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会は5日、米IT大手グーグルがオンライン広告市場の競争をゆがめたとして、EU競争法(独占禁止法)違反で29億5000万ユーロ(約5100億円)の制裁金を科すと発表した。同社に対し、60日以内に是正策を提示することも求めた。
 欧州委によると、グーグルは2014年以降、自社の広告技術の支配的地位を乱用し、競合他社を不利な立場に追いやった。この結果、広告コストの高止まりを招き、広告主や消費者に不利益をもたらした。リベラ上級副委員長(競争政策担当)は声明で「デジタル市場は信頼と公正に基づくべきだ」と強調した。
 欧州委は、グーグルが広告の売り手・買い手双方にサービスを提供する立場を利用し、自社を有利にする「利益相反」の構造を抱えていると指摘。解消には事業分離といった対応が必要になる可能性にも言及した。
 一方、グーグルは「欧州委の決定は誤っており、異議を申し立てる」と表明。「不当な制裁金を科し、欧州の何千もの企業に損害を与える変更を強制するものだ」と批判した。
 今回のEUの決定について、トランプ米大統領はSNSで「非常に不公平だ。わが政権はこうした差別的な行為を決して許さない」と反発。米EU間の関係悪化につながる恐れがある。 

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