中国で「指紋認証」水筒がヒット=食の安全やいじめ背景に 2025年09月13日 15時21分

中国のネット通販「淘宝(タオバオ)」で売られている指紋認証機能付き水筒(同サイトより・時事)
中国のネット通販「淘宝(タオバオ)」で売られている指紋認証機能付き水筒(同サイトより・時事)

 【北京時事】9月に新学期を迎えた中国で、子ども向けの「指紋認証」機能付き水筒が売れている。通常の水筒に比べて割高だが、子ども同士のいたずらや異物混入を防ぎ、感染症対策にもなると好評だ。
 中国では年齢にかかわらず、通学や通勤に「マイボトル」を持参するのが一般的だ。指紋認証で飲み口のロックを解除する水筒は、夏ごろからインターネット上で話題になり始めた。
 通販サイトによると、価格は200~400元(約4200~8300円)ほどが主流だ。10人分の指紋を登録できる水筒や、ブルートゥース(無線通信)機能でスマートフォンと連動して解錠できたり、保護者が水を飲んだ回数を確認できたりするものもある。
 報道によると、水筒はこれまでに6万個以上売れた。今後、巨大市場に成長するとの観測がある。ヒットの背景には、食の安全を揺るがす事案が報告されているほか、学校でのいじめや暴力が社会問題化していることがありそうだ。
 上海市では2023年、中学生が同級生のコップに漂白作用のある液体を入れ、多数の生徒が病院に搬送された。24年には浙江省で、同級生にだまされて強アルカリ性の水を飲んだ中学生が食道に傷を負った。今年7月には、甘粛省の幼稚園給食が原因で園児200人以上が鉛中毒になったことが明らかになっている。 

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