モルドバ大統領が勝利宣言=与党過半数で「EU加盟に道」―議会選 2025年09月30日 09時09分

旧ソ連構成国モルドバで28日に行われた議会(定数101)選挙は29日、開票作業が終了し、親欧米のサンドゥ大統領が「欧州連合(EU)加盟への道が保証された」と勝利宣言した。サンドゥ氏の与党「行動と連帯」が55議席で単独過半数を維持。親ロシアの野党連合「愛国者ブロック」は26議席にとどまった。
モルドバを勢力圏にとどめたいロシアのプーチン政権が、情報・買収工作を仕掛けたと伝えられた中での選挙。サンドゥ氏は「(主権が)脅威にさらされている」と国民に再三警告していた。
野党連合の一角、社会党のドドン前大統領は結果に異を唱えるデモを29日に呼び掛けたが、首都キシナウからの報道によると、集まった親ロ派は約200人。大きな混乱はなかった。
英BBC放送は「親ロ派の敗北」と報じる一方、ロシア政府系メディアなどは親欧米派の苦戦を印象付けようと「与党以外の野党各党の得票率は計49.8%だった」「親ロの住民が多い地域では野党連合が勝利した」と伝えた。
ロシアのペスコフ大統領報道官は「(親ロ派は)結果を認めないと表明し、不正があったと言っている」と主張。ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、EU加盟交渉で共同歩調を取るサンドゥ氏と電話会談し、与党勝利に祝意を示した上で「ロシアによる不安定化工作の負けだ」と断じた。