李氏、今週にも代表辞任か=改憲も争点に―韓国大統領選 2025年04月06日 19時24分

韓国の禹元植国会議長=4日、ソウル(EPA時事)
韓国の禹元植国会議長=4日、ソウル(EPA時事)

 【ソウル時事】韓国の尹錫悦前大統領罷免を受け、与野党は6日、大統領選に向けた動きを加速させた。最有力の革新系最大野党「共に民主党」の李在明代表は9日ごろにも代表を辞任し、出馬準備を本格化させるとみられている。一方、禹元植国会議長は、大統領選と同時に憲法改正の是非を問う国民投票を行う案を提案。改憲も大統領選の争点になりそうだ。
 大統領選は、6月3日実施が有力視され、今月8日の閣議で決定されるという見方が強い。保守系与党「国民の力」、共に民主党はいずれも月内にも予備選を経て党の候補を決定する見込みだ。各党候補による出馬表明が今週相次ぎそうだ。
 世論調査機関「韓国ギャラップ」が4日に発表した次期大統領候補の支持率で、李氏は34%と独走状態。金慶洙前慶尚南道知事ら李氏と距離を置く対抗馬の出方も注目されるが、李氏は早期に党予備選を終えて挙党態勢を築き、本選に備えたい意向とみられる。
 一方、与党では金文洙雇用労働相、韓東勲前国民の力代表、洪準杓大邱市長、呉世勲ソウル市長ら多数の名前が挙がり、混戦模様だ。与党は6日、議員総会を開き、党予備選を含む今後の方針などを協議。尹氏罷免でダメージを受けた同党は、「反李在明」を旗印に結束を維持しつつ、李氏に反感を持つ有権者を取り込みたい考えだ。
 尹氏による「非常戒厳」宣言を受け、強大な大統領の権限を分散させる改憲議論も活発化している。禹氏は6日の記者会見で、過去にも大統領選で改憲が公約されながら結局うやむやになった点を指摘し、「任期が始まる前に突破口を開くべきだ」と訴えた。「内乱勢力の審判」を強調する野党に対し、与党は不利な情勢を打開しようと、積極的に改憲論を主張して李氏をけん制するとみられる。 

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