野党李在明氏が優位=低迷与党は候補乱立―韓国大統領予備選開始 2025年04月15日 19時26分

韓国の革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表=15日、ソウル(EPA時事)
韓国の革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表=15日、ソウル(EPA時事)

 【ソウル時事】韓国与野党は15日、大統領選(6月3日投開票)の候補者を選ぶ党内予備選をスタートさせた。尹錫悦前大統領による昨年末の「非常戒厳」宣言をきっかけに多くの支持者が離反した保守系与党「国民の力」は多数の候補が乱立。これに対し、世論調査の支持率で独走状態となっている革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表(61)は優位に戦いを進めている。
 両党は15日、予備選の立候補登録を締め切った。共に民主党は4月27日に大統領候補を選出する。李前代表のほか、金慶洙前慶尚南道知事(57)と金東※(※ナベブタに兌)京畿道知事(68)が挑む構図だ。2022年の大統領選で尹前大統領に僅差で敗れた李氏の勝利が確実視されている。
 李氏は「内乱の収束」を前面に掲げ、尹氏と与党を追及。15日に戒厳宣言と弾劾の混乱を振り返る回想録を出版した。また、無党派層の支持を広げるため、経済成長を重視する政策も強調。14日には大統領に当選すれば「人工知能(AI)分野に100兆ウォン(約10兆円)を投資する」と表明し、すでに本戦の勝利を視野に入れている。
 一方、国民の力では、金文洙前雇用労働相(73)、洪準杓前大邱市長(70)、韓東勲前代表(52)、安哲秀国会議員(63)ら党内の有力者が競う。候補者数が多いため段階的に絞り込み、最終的に5月3日に大統領候補を決定する。世論調査機関「韓国ギャラップ」の11日の発表によると、最も高い支持率は金文洙氏の9%にとどまり、共に民主党の李前代表の37%に大きく水をあけられている。
 与党は勢いが低迷するだけでなく、尹氏の行動をどのように評価するかを巡り、党内に大きな溝がある。伝統的な保守層を支持基盤とする金文洙氏と洪氏は尹氏に一定の理解を示すが、中道票の取り込みを目指す韓氏と安氏は尹氏を厳しく批判している。 

その他の写真

韓国の尹錫悦前大統領(左)と金文洙前雇用労働相=2024年8月、ソウル(EPA時事)
韓国の尹錫悦前大統領(左)と金文洙前雇用労働相=2024年8月、ソウル(EPA時事)

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