対米交渉「日本の労働者守る」=石破首相、賃上げへ悪影響懸念 2025年04月26日 15時58分

石破茂首相は26日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた連合のメーデー中央大会に出席した。トランプ米政権の高関税政策に関し、賃上げの動きに水を差す恐れがあるとの認識を表明。「日本の労働者を守るため、米政府との交渉に強力に臨みたい」と述べた。
首相は米関税措置について「国内産業に大きな影響を及ぼしかねない」と強調。見直しを求める考えを改めて示した。今年の春闘の賃上げ水準は昨年を上回る情勢にあると指摘し、「この勢いを中小企業、地方、非正規雇用に広げていく」と訴えた。
現職首相のメーデー出席は2023、24両年の岸田文雄氏に続いて3年連続。夏の参院選をにらみ、立憲民主、国民民主両党の支援組織である連合に近づく狙いもありそうだ。石破首相は今月、連合との政策協議「政労会見」を16年ぶりに開催。連合の芳野友子会長は3月の自民党大会に、連合会長として20年ぶりに出席した。
芳野氏は26日の大会後、記者団の取材に「(中小企業の賃上げ)機運醸成に弾みがつくのではないか」と首相出席を歓迎した。ただ、首相が式典で「賃上げの勢い」に触れた際、参加者から「全然勢いないよ」とやじが飛ぶ一幕もあった。