東京株、625円高=石破首相退陣表明で次期政権に期待 2025年09月08日 17時19分

8日の東京株式市場は、石破茂首相の退陣表明を受け、次期政権が景気刺激策を打ち出すとの期待から幅広い銘柄に買いが入り大幅に上昇した。日経平均株価は一時、前週末比800円超値上がりし、終値ベースでの史上最高値(4万3714円31銭)を上回る場面もあったが、その後は利益を確定する売りも出て、625円06銭高の4万3643円81銭で取引を終えた。
東証株価指数(TOPIX)は、32.89ポイント高の3138.20と、先月18日に付けた史上最高値(3120.96)を更新した。
市場では、自民・公明の与党が衆参両院で過半数割れの状況下では「誰が新総裁になるにせよ、野党の積極財政方針をある程度受け入れる」(中堅証券)との見方が強まった。新総裁の有力候補が金融緩和を主張し日銀の利上げが難しくなるとの思惑で不動産株が上昇。ほかにも、有力候補との連想で防衛や農業関連株が値上がりした。
日経平均は最高値を更新した先月18日以降、急上昇に対する調整が続いていたが、市場からは「首相退陣で上値を目指す局面に入った」(同)との声が上がった。もっとも、別の市場関係者は「政局の不透明感はむしろ増している」(大手証券)と指摘。米景気の減速懸念も強まるなど、楽観一辺倒にはならないとの声も聞かれた。