市場注視を最優先=経済・物価への影響見極め―氷見野日銀副総裁 2024年08月28日 17時33分

記者会見する日銀の氷見野良三副総裁=28日午後、甲府市
記者会見する日銀の氷見野良三副総裁=28日午後、甲府市

 日銀の氷見野良三副総裁は28日、甲府市での講演後に記者会見し、金融政策運営について「当面は金融市場の動向を極めて高い緊張感を持って注視するのが、私どもがやるべき最初の仕事だ」と強調した。さらなる利上げでは「市場動向が経済・物価の見通しやリスクに与える影響をしっかりと見極めていきたい」と語り、慎重に判断する姿勢を示した。
 年内に追加利上げに踏み切る可能性について、氷見野氏は「時間軸的にいつまではなくて、いつからはあり得るというイメージは持っていない」と述べるにとどめた。一方で、「経済・物価見通しが実現する確度が高まれば、金融緩和の度合いを調整していく」とし、利上げ路線を堅持する考えも重ねて示した。
 市場を注視する期間に関しては「どれだけ待てば見極められるというよりは、市場の動きや背後にあるファクター(要因)を見て、ある程度の自信が持てるかだ」と説明。市場混乱の一因となった米国景気の先行きについては「メインシナリオはソフトランディング(軟着陸)だ」との見方を示した。 

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